交通事故でむちうちに!後遺障害14級の認定を受けるには

交通事故でむちうちに!後遺障害14級の認定を受けるには

交通事故でもっとも多いケガの1つがむちうちです。軽度のものなら数カ月で回復が期待できますが、ひどいものだと症状が慢性化してしまい長期間残ってしまうこともあります。もしそうなった場合、被害者としてはその分の補償もしっかりしてほしいと考えるのが当然のことです。実は、ある程度の重いむちうちについては後遺障害として認定される可能性があります。ここでは、むちうちで認められる後遺障害のなかでも、特に多い14級の認定条件や申請方法などについて解説します。

交通事故で多発中!むちうちの被害にご用心

むちうちは、外からの衝撃によって首がむちのようにしなり、痛みを引き起こした状態のことをいいます。交通事故においては車の急停止や追突、衝突などによって発生する可能性があります。交通事故によるケガのなかでも、むちうちはもっとも被害が多い症状の1つです。交通事故の被害者のうち、半数近くの人がむちうちになっているという話もあります。

むちうちの症状にはいくつかのパターンがある

むちうちはいわゆる俗称で、医学的な診断名ではありません。実際に病院で診察を受けた場合には頚部捻挫や頚部挫傷、外傷性頚部症候群といった診断名がつくことになります。また、むちうちは症状により、頚椎捻挫型、神経根症状型、バレー・リュー症状型、脊髄症状型、脳脊髄液減少症の5つのタイプに分類することができます。

むちうちの主な症状

むちうちでどんな症状が出るかは、むちうちのタイプによって変わってきます。

頚椎捻挫型

頚椎捻挫型は、頚椎周辺の筋肉や靭帯損傷により引き起こされるタイプのむちうち症状です。具体的には首や肩の痛み、頭痛、首の動きに制限が出るといった症状が出ます。

神経根症状型

神経根症状型はゆがんだ頚椎が神経を圧迫することで出るタイプの症状を指します。首や肩、後頭部の痛みのほか、手足のしびれや脱力、顔面麻痺、知覚障害といった症状が現れます。

バレー・リュー症状型

バレー・リュー症状型は自律神経の損傷によって引き起こされる諸症状を指します。事故の衝撃によって頚椎を通っている自律神経にダメージが生じ、自律神経の不調によるさまざまな症状が出るのが特徴です。吐き気や頭痛、めまい、耳鳴りといった一見むちうちとは関係のなさそうな症状が発生します。

脊髄症状型

脊髄症状型は脊髄の損傷によって引き起こされる症状を指します。頚椎を通っている脊髄、および脊髄から下に伸びている神経が損傷したことにより手足のしびれや痛みといった症状が現れます。重症になると歩行障害や排せつ障害が起きることもあります。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は事故の衝撃により、脳脊髄液が漏れて発生するさまざまな症状を指します。慢性的な疲労感やだるさ、頭痛、めまい、耳鳴りといった症状が特徴で、気圧の変動による影響を大きく受けるといわれています。最近になって注目されるようになった疾患で、実際の診断には詳細な検査が必要です。むちうちのなかでは重症に相当します。

むちうちの治療期間

むちうちの治療は整形外科や整骨院・接骨院で行いますが、実際の治療期間は症状の程度によってだいぶ変わります。3カ月程度で症状が消える人もいれば、半年以上むちうちの症状に悩まされる人もいます。また、重症ともなると数年以上、場合によっては生涯にわたって後遺障害が残ってしまう可能性もあります。通院開始からしばらく時間が経過して症状固定となったあとも、症状が残存するケースも多い傾向です。

むちうちは後遺障害として認定されることがある

ある程度症状の重いむちうちの場合、交通事故後しばらく経っても症状が完全に回復しないケースがありえます。その場合、一定の条件を満たしたむちうちについては交通事故による後遺障害として認定されることになります。

症状固定と後遺障害

通院開始からしばらくの間はむちうちの症状は順調に回復していきますが、ある程度期間が経つと回復が止まり、症状固定といわれる状態になります。症状固定とは症状が慢性化し、治療を続けても大幅な症状改善が見込めない状態を指します。長期的に見た場合、症状の悪化がない代わりに回復も期待できなくなった段階が症状固定です。

むちうちの場合については、病院で投薬やリハビリを受けると、いったんは良くなるもののすぐに症状が戻ってしまう状態が症状固定にあたります。症状固定の段階で残ってしまった症状が後遺障害です。損害賠償上、症状固定日以降に残ってしまった後遺障害分の補償については治療費などの形ではなく、後遺障害慰謝料や逸失利益などの形で処理することになります。

むちうちは後遺障害に認定される可能性が

後遺障害分の補償を受けるためには、後遺障害があるということを認めてもらわなければなりません。それが後遺障害等級認定です。後遺障害認定には14級~1級までの14段階があり、数字が少なくなるほど障害が重くなります。

むちうちの場合もこの後遺障害認定の等級に該当するような障害が残ってしまったときには、後遺障害認定を取得できる可能性が出てきます。むちうちで申請できる後遺障害等級は14~7級といわれていますが、9・7級に認定されるためには就労が制限されるほどの重い後遺症が出ていることが条件になります。そこまで重症のむちうちは珍しいため、ほとんどの人はもっとも軽い後遺障害14級の認定を目指すことになります。

後遺障害認定を取るメリット

後遺障害認定を取得するメリットは慰謝料の増額です。後遺障害が認定されれば、後遺障害慰謝料などが請求できるようになるため、もらえる賠償金の額の大幅増が期待できます。たとえ、後遺障害14級であったとしても、後遺障害認定を取得しない場合とは賠償金の合計金額に大きな差が出ることになるのです。

後遺障害14級の認定に必要な5条件

むちうちになったからといって全員が後遺障害の認定を受けられるわけではありません。後遺障害等級認定には審査があり、認定を受けるためには一定の条件をクリアする必要があります。たとえば、むちうちでもっとも多い後遺障害14級に認定されるためには、次の5つの条件を満たさなければなりません。

条件その1事故の程度

1つ目の条件は事故と患者が申告する症状の間に因果関係が認められることです。この因果関係は事故の程度により判断されます。むちうちは事故の衝撃によって発生するため、後遺障害になるような症状が認められるためには一定程度の強い衝撃が生じるような事故であることが必要です。事故の程度は事故車両の写真や実際にかかった修理の見積書などから判断されます。車がほとんど破損していないような場合には、事故と症状の間の因果関係が否定されやすくなります。

条件その2継続的な通院

2つ目の条件は継続的な通院です。等級の認定を受けるためには、事故直後からの継続的かつ定期的な通院が必要になります。具体的な通院日数や通院期間については、明白な基準が定められているわけではありません。ただし、通算6カ月以上または通院人数100日程度が一応の目安になっているといわれています。

条件その3症状の一貫性・連続性

3つ目の条件は症状に一貫性・連続性が認められることです。被害者が事故当初から一貫して同じ症状内容を主張し続けた場合、審査する側もその症状が事故によるものだと判断しやすくなります。「当初主張していたのとは違う症状が出た」「いったん回復したあとに痛みが再発した」などのケースでは事故以外のものが影響していると判断されやすい傾向です。そのため、後遺障害の認定には不利に働きます。

条件その4症状の重さが一定以上であること

4つ目の条件は症状の重さが一定以上であることです。後遺障害と認められるためには、自賠責保険で使われている認定基準にあてはまる程度の重い症状の必要があります。また、重い症状が一時的なものではなく、その慢性化していると認められることが必要です。

条件その5自覚症状を医学的に証明できること

5つ目の条件は症状を医学的に証明できることです。医師による画像診断結果や神経学的検査の提示により、むちうち症状が医学的に証明できれば後遺障害等級認定される可能性が高くなります。ただし、むちうちが該当する後遺障害等級14級9号は「局部に神経症状を残すもの」が対象です。14級の認定を目指す場合に関しては必ずしも医学的証明が必要とは限りません。

後遺障害の認定を受けるには?

後遺障害の認定を受けるためには、自賠責保険に対し申請を行い、その後の審査で申請内容を認められる必要があります。

申請方法

自賠責保険への申請方法としては、事前認定と被害者請求という2種類の方法があります。

事前認定

相手型の任意保険会社を窓口として、被害者が負った後遺障害の等級認定を事前に確認するという申請方法です。手続きや必要書類の収集を相手方の保険会社に任せられる代わり、必要最低限の書類しか添付してもらえない可能性があります。さらに、保険会社に有利な内容の診断書がつけられる可能性があるといった点はデメリットです。そのため、事前認定を選んだ場合、後遺障害の等級認定の審査においては不利になってしまう可能性があります。

被害者請求

被害者本人が直接相手の自賠責保険に対して後遺障害の等級認定を請求するという申請方法です。必要書類を自分で集める必要があるなど手間がかかる代わり、医師の診断書など自分にとって有利に働く書類を添付できるというメリットがあります。そのため、事前認定よりも申請が通りやすいといわれています。

審査結果に不服がある場合の対処法

「申請が却下された」などもし等級認定の審査結果に不満がある場合には、自賠責保険への異議申立てや紛争処理申請に認定のやり直しを求めることが可能です。また、最終手段として裁判を起こすという方法もあります。

むちうちで後遺障害認定を取るなら法律のプロに相談を

むちうちで後遺障害認定を取りたいのであれば、あらかじめ法律のプロに相談しておくことをおすすめします。後遺障害認定では被害者請求が有利だとされていますが、被害者請求では必要書類の収集や手続きを被害者側で行わなければなりません。その点、法律のプロに間に入ってもらえれば手続き関係をお任せできますし、保険会社との示談なども有利に進められます。もし、交通事故が起きてしまったら、なるべく早く法律のプロのアドバイスを求めるようにしましょう。

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